☆とび職人に不可欠なニッカボッカ考・抄
2009年からスタートした、墨田区内の地域ブランドを認証する「すみだモダン2022」の認証式が、今年3月16日、「すみだ北斎美術館」にて開催されました。
今回新たに墨田区の地域ブランドに認証された16アイテムの内の一つが、「種田の足袋」をはじめ、「とび職作業着」を大正時代から80年以上も製造してきた「磯貝商店」(墨田区業平)です。
本欄で扱う作業着とはジャンルが微妙に違いますが、とび職ファッションに憧れて建設作業員になるという若者は、今も少なくありません。
では、なぜ若者たちはとび職ファッションに昔から憧れてきたのでしょうか。シンボル的な存在であり、独特な形をした「ニッカボッカ」に、その秘密がありそうです。
建設関連のさまざまな話題を扱うサイト《工場タイムス》の2020年9月30日付け記事「ニッカボッカとは? 鳶職人に愛され続ける作業服が持つ意外な機能性と主な種類」によれば、ニッカボッカはオランダで発祥した「ブリーチズ」という名称の子ども向け短ズボンなのだそうです。ふくらはぎのあたりが膨らんで、裾の部分ですぼまるニッカボッカは、裾を靴下の中に入れるとビシッと引き締まります。
鳶の世界では、高所で作業するのに不可欠なとび職用足袋との相性がバッチリです。さらにダボッと広がった裾は、足が足場のでっぱりにぶつかったりした際などに、クッションの役割をしたり、裾の部分は高所の風の強さを知るのにも便利だといいます。
また、裾の部分がどんどん長くなるロング丈が近年の流行なのだとか。一見すると合理的に見えないカタチが、案外、合理的なのかもしれません。
ニッカボッカは、建設作業員の中でも独自の職業的スタンスにある、とび職ならではの必需の作業着であると同時に、とび職人に特有のちょっと小粋な雰囲気の源泉にもなっているんですね。
一般の建設作業員や電工さんなどの作業着は年々シンプルに、スマートになっていく傾向がありますが、とび職の人々に愛されているニッカボッカは、そういう意味合いからも個性的です。
☆サバイバルゲーム向け作業着スーツ!!
スーツ風の作業着「作業着スーツ」を展開して人気のブランドWWSから、このほど、「サバゲ―に適したスーツ」という触れ込みの作業着スーツが新たにリリースされました。
サバゲ―とはもちろん、サバイバルゲームのこと。BB弾使用のエアサフトガンで戦闘ごっこを行うゲームで、これは日本発祥なのだそうですね。
参加者はもちろんミリタリールックで戦うわけですが、WWSが今回発表した作業着スーツは、通常の作業着としてもスーツとしても使えるほかに、その豊富なポケットがサバイバルゲームの必需品である各種の用具も入れられる工夫がされているそうです。
サバゲーの専用フィールドを運営するASOBIBAとWWSの共同開発である「サバゲ―向け作業着スーツ」。スーツ姿の男たちが戦う近未来アクション映画「マトリックス」のような世界が現出しそうです。面白そう!!