☆今年の作業着のトレンドはどうなる!?①
今年の作業着にまつわる動向(トレンド)はどんなふうに展開していくのでしょうか。
まず考えられるのは、大量に生産され続けている作業着や、準作業着などに関するリユース、リサイクル、廃棄後の循環問題など、エコロジー問題の進展です。
SDGsや脱炭素社会の構築に向けた取り組みの一環という意味合いだけでなく、作業着のリユース、リサイクル、廃棄後の循環的な再利用の推進は、産業自体が考えていかなければならない「世の中に対する責務」というべきでしょう。
本欄ではこれまで、個々の製造メーカーが実施しているSDGsへの取り組み。あるいは「古着deワクチン」などの事業に見られる国際的な社会貢献のアイテムとしての作業着。さらには、特定の作業着を採用している当該企業と作業着の製造者がタイアップしての「ブランド化された作業着の一般販売」など、さまざまな観点から、作業着を巡るトレンドをご紹介してきました。
これらの取り組みは今年もさらに進展行くことが予測されますが、作業着の技術革新も、今年はさらに進展することでしょう。
代表的なのは、作業現場における「安全性および快適性」を追求した商品展開です。
具体的には酷暑の夏を涼しく作業するための「空調服」「冷涼服」「冷却服」などの技術の進化です。
屋内外の作業現場では、近年、毎年のように千人単位の熱中症による死亡事故が起きているとされます。空調服や冷涼服、冷却服の進化は、そうした犠牲者の軽減につながると同時に、昨年あたりは、そうした進化系の作業服の力を過信するあまり、かえって酷暑現場での作業の長時間化が進んで熱中症の危険性が増した――というような報告もありました。進化する一方の空調服や冷却服は、技術的進化を信奉する段階から、いかにうまく使いこなすことで、作業現場の安全性を確保していくかという、新たな段階に突入しているのではないでしょうか。
同様のことは、寒さ対策をほどこした暖房服にもいえることです。ひいては作業現場の安全対策にも、近年の進化した冷暖対策作業着の登場は、大きな影響を与えはじめているといえます。今年はそのあたりの課題に、どのような新たな対策が、作業着メーカー側およびユーザー側から生まれてくるのか。注目していきたいと思います。
☆今年の作業着のトレンドはどうなる!?②
近年の作業着業界でよく見られるようになった現象の一つに、アニメとのコラボ商品のブームがあります。
少し前の話になりますが、2019年に大川被服から発売された「キン肉マン作業服」はけっこうな評判を呼びましたよね。
世界的な人気の「ワンピース」のキャラクターを採用した腰袋なんてのも、ずいぶん前に出回っていましたが、近年でスマッシュヒットしたコラボ商品の一つが、アニメ「ゆるキャン△」の世界を再現した「かわいい作業着」。「ゆるキャン△」は、キャンプ素人の女子高生たちがかわいい作業着を着て、キャンプに出掛けるという内容のアニメです。
相変わらずのアニメ人気を考えると、今年はアニメとのコラボ商品がさらに増える予感がします。