☆万能普段着実現に向け極寒の地で実証実験
ワークマンはこの1月9日付でプレスリリースを実施。1月18日~19日に、北海道北見市で開催される「厳冬期災害実習2025」にて、日本赤十字社看護大学附属災害救護研究所との協働による、ワークマンの機能性ウェアに関する共同実証実験を実施する旨、発表しました。
「目的は過酷な環境下での製品実験結果をもとにした『万能普段着』の開発」ともされるこの実験は、なぜ実施されることになったのでしょうか。同リリースによると、ワークマンと日本赤十字社看護大学附属災害救護研究所(以下、日赤救護研)との連携関係は、2023年7月から始まったそうです。
北北海道の北見市に立地する日赤救護研では、冬期に極寒の地となる環境を活用して、極寒環境の中での災害救護により役立つ機能性ウェアの実現を模索していました。そして、一方のワークマンは、さまざまな工事の現場でプロの職人たちが着用する作業着の開発を通じて、「防水・耐久撥水・防寒・発熱・動きやすさ・耐寒・筋力サポート・反射機能」(同リリースより)などの機能を備えた機能性ウェアを、実現してきました。
周知の通り、日本赤十字社の看護師たちは養成の始まった明治時代中期以降、国内外の戦場や災害現場に派遣され、救命・看護活動を実践してきました。
その活動は現在も続いており、かねてより過酷な環境下でも看護師や負傷者などを護る衣服の開発は、止むことのない努力義務になっているともいえます。
こうしたテーマを追求する日赤救護研にとっては、ワークマンが培ってきた、作業着における前述の各種の優れた機能はまさに過酷な現場で求められる救命・看護のための新たなユニフォーム(作業着)づくりにピッタリということなのでしょう。
同時にワークマンにとっても、これまで培ってきた自社開発の作業着が持つ優れた機能性を、より一層高めるためにも、今回の実証実験は非常に有益な結果、すなわち「災害現場などの過酷な環境下でも耐えられる機能を普段着に応用」できるという大きな利点がもたらされることになります。
こうした目的を追求する部署として、ワークマンでは既に、本欄でも何度かご紹介した「ワークマン快適ワーク研究所」を発足させており、その成果は昨年夏に発売されて大反響を呼んだ「ウインドコアアイスペルチェベスト」(瞬間冷却が可能な作業用ベスト)などに結実してきました。
北見市で今回実施される実証実験の結果を活かした「万能普段着」に結実化されることが大いに期待されます。
ちなみに今回の実験に際し、ワークマンは「①日常生活から避難時を想定した実証」と「②避難所での設営作業や復旧作業時を想定した実証」のため、①の実証実験用として、既に市販されている断熱ジャケット、メリノウールインナー、氷雪耐滑防寒ブーツなど被災者用の《自分と家族の安全を守る自助セット》を提供(5点セットで総計8700円)。また災害現場で救護者などが着用する②の実証実験のために「フラッシュライト防水防寒ジャケット、アシストウォームパンツ(定価総計8300円)」を提供するとのこと。実験の結果が発表されたら、またリポートします。