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☆カムバック!! 現場の味方・ワークマン

本欄では前々回、「ワークマンがカジュアル衣料に本格参入 快適普段着をテーマに2032年までには400店舗に拡大」という趣旨のタイトルで、産経新聞が配信した2月20日付のニュースをカバーしました。

このニュースは要するに、女性向け衣料の専門店「ワークマン女子」や、男性用カジュアル衣料も扱う「ワークマンプラス」を統合し、男性・女性・子どものカジュアル衣料を専門に扱う「ワークマンカラーズ」を立ち上げ、2032年までに400店舗の展開を行うとのプレスリリースが、2月20日にあったことを報じたものでした。

その記事では触れられていませんでしたが、その背景には、あまりにも多角的な店舗展開をしたために、本業の作業着界隈の売り上げが伸び悩んだこと、コアなユーザーたちからの反発があったこと、さらには他のメーカーへの乗り換えなどの現象が顕在化し始めたからだ――とする見方もあります。

しかし、それらの少々アンチ的な視点は、かつて「職人の絶対的な味方」として、安くて高機能、高品質の作業着や、その延長線上のアウトドアファッションなどを中心に、積極的に展開してくれていた頃のワークマンを高く評価するユーザーが非常に多かったということ。そして、当時を懐かしんでいるユーザーも、非常に多いということから来ているのではないか。本欄ではそう考えています。

多角的な展開のシンボルだったワークマン女子やワークマンプラスを統合しつつ、カジュアル部門をワークマンカラーズに集約するという趣旨のブレスリリースは、換言すればかつてのワークマンが再び躍動する前兆といえるのかもしれません。

多角的な展開をしている最中においても、「さすがはワークマン」という動きが、実は随所で見られていました。

例えば「猛暑対策:暑熱バンド(アラーム機能付き)」「筋肉使用量減:全身アシストパワースーツ」「筋肉使用量減:サポートジャケット」「腰ラク:Xブースターシリーズ」「高機能インソール」「ソロテックス使用着圧サポーターシリーズ」「マッスルブースターセーフティ」「疲労軽減・血行促進:コラントッテシリーズ」など、長年にわたる作業着づくりで培った多彩なアイデアをさらに追究した商品開発を行う《快適ワーク研究所》の設立は、その象徴的な事業といえます。

中でも「腕に巻くだけで、暑熱下の熱中リスクを検知する暑熱バンド」など、いかにもワークマンらしさが横溢した商品です。

あるいは、やはり本欄で以前に紹介させていただいた、ワークマンと北海道の日本赤十字社看護大学附属災害救護研究所との協働で今年1月に実施した、厳寒期における野外の医療活動現場において、ワークマンの機能性ウェアがどのような力を発揮するのかを検証した実証実験なども、まさにワークマン本来の「日本有数の現場作業着に対する知見の深さ」があればこその事業といえます。

本欄としては、冒頭でご紹介したワークマンカラーズの積極展開によって、これまでともすればせっかくの持てるパワーが分散しかねない形で多角化されていた状況を脱し、ワークマン本来の機能性ウェアの追究および、より快適な現場作業着の開発へと、力を再結集していただくことを、大いに期待したいと思います。