◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします
2月15日付け電氣新聞・電子版や河北新報・電子版などが「東北テクノツーリズム推進協議会」のモニターツアー実施に関する記事を相次いで配信しました。
東北テクノツーリズムとは、東北地方に立地する最先端の科学技術施設を観光資源とし、それらを巡る観光コースを創出する試みで、関係企業などが前述の推進協議会を設立、この企画を推進しています。
両紙の記事で紹介しているのは今年1月28~29日に仙台市内で行われたツアー実証実験の模様で、参加者は2023年に稼働予定の次世代型放射光施設(東北大学青葉山キャンパス内)を訪問、施設見学やセミナーの受講などのプログラムを消化しました。
今回の実証実験は、新型コロナ収束後を見越した、同ツアーの可能性を探るものと説明されているが、産業施設を巡るツアーは「バイオマスツアー」をはじめ、ふた昔前ぐらいから盛んに行われてきました。
今回の実証実験で目新しいのは、先端の科学技術施設を巡るということなのでしょうが、同様の試みは建設現場や電設現場でももっと積極的に行われていいのではないかというのが、本紙の考え方です。
実際の建設現場は難しいかもしれませんが、巨大プロジェクトの場合にはツアー専用の部屋を用意し、そこでさまざまなシミュレーション(当該現場で行われている先端技術の解説など)を展示したりすれば、一般市民の建設事業への理解はより深まるような気がします。
とくに電気設備工事の場合、施工する現場の建設物の規模が大きければ大きいほど「ブラックボックス化」が顕著になる傾向があります。
しかし、現場隣接地に設けた案内ブースなどで、アニメやCGなどを駆使しながら、工事の難しさやその現場で実施されている先端技術の素晴らしさなどを図示すれば、電気設備工事への市民の理解は飛躍的に高まるものと思われます。
新型コロナの行く末によっては、難しい局面が出てくるかもしれませんが、イメージアップ事業としては非常に有効だと考えます。
業界の牽引役の皆様、ぜひご検討を!!
同じく電氣新聞電子版2月9日付けの配信記事には「四国電力が水産加工場に太陽光パネルを無償設置」という記事が掲載されています。
四国電力は高知県須崎市の水産加工場に無償で太陽光発電システムを導入。水産工場は初期投資なしで導入し、自社の発電システムから得られた電力を割安価格で購入できる、いわゆる「第三者所有モデル」です。四国電力がこのシステムでサービスを提供するのは初めてとのことですが、四国は旧塩田の跡地などが豊富にあることから、各種のプラントや工場が立地しており、今後も需要が見込めるのではないでしょうか。
同時に塩田跡地が多いということは、日光の照射量が多いエリアである証拠で、
そういう意味合いからも太陽光発電は、四国ではまだまだ伸びしろの見込める事業だといえます。
国土交通省は2月9日、「第1回海外インフラプロジェクト技術者認定・表彰制度」の選考結果を発表しました。同制度は海外でインフラプロジェクトに携わる技術者を対象に、その工事・業務実績を評価する制度で、これまでになかった試みといえます。
今回は国土交通大臣表彰17人、大臣奨励賞11人が顕彰されましたが、海外のインフラプロジェクトということもあり、募集に応じた人々も、表彰された人々も大手ゼネコンの関係者ばかりというのが、ちょっと気になるところではあります。
日建協はこのほど、新型コロナの感染拡大の影響に関するアンケート調査を発表。現場で実際に「閉所の必要性を感じていた協会員」は全体の過半数に達していたことがわかりました。(以下、次号に続く)