◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします
この8月3日、広島市では「旧広島市民球場跡地の整備及び管理運営を行う民間事業者の公募」結果を発表しました。
その結果、採用されたのは「NEW HIROSHIMA GATEPARK」という名称のグループ。代表法人はエヌ・ティ・ティ都市開発で、大成建設、中国新聞社、広島バスセンター、広島電鉄、NTTアーバンリューサポート、NTTファシリティーズ、シーケイ・テック、NSP設計がグループ構成企業としてラインナップに並んでいます。
広島市を基盤とする代表的な企業各社とNTTや大成建設などの共同での事業となる旧広島市民球場跡地の再開発は、広島市にとって非常に重要な平和祈念式典開催(8月6日)の直前に発表されたことでも、まさに満を持した計画であることがうかがえます。
原爆による被災と相まって、戦後の広島市復興は多難を極めました。そんななか、広島市民の気持ちをつかんだのが地元球団の広島カープであり、みんなで気持ちを一つにして応援のできる「広島市民球場」の存在でした。
採用された再開発計画では旧広島市民球場の跡地は原爆ドームなどがある中央公園の入口として、また、中央公園に至るシンボルロードの一環として国内外から訪れる観光客や市民が交流できる巨大広場の様相を呈しています。
中に造られる多彩なイベント施設や公園施設には、原爆をくぐりぬけて生き残った木材や石材を多用するなど、メモリアルの要素もたっぷり。今後約5年間をかけて随時、施設を拡充化していく予定とのこと。今後の推移が非常に楽しみです。
昨年は新型コロナの影響で開催が中止となった「若年者ものづくり競技大会(主催/厚生労働省、中央職業能力開発協会)」でしたが、今年は無事、8月4日・5日の両日にわたり、「第16回若年者ものづくり競技大会」が愛媛県松山市で開催されました。
全15業種(電気工事、電子回路組み立て、業務用ソフトウェアソリューションズ、ITネットワークシステム管理、ウェブデザイン、機械製図、機械・電子・情報工学を総合した新しいものづくり職種「メカトロニクス」、工作機械で金属を加工する旋盤・フライス盤など)に全国選りすぐりの競技者・330名が出場。
新型コロナの影響で今年もさまざまな制約(会場には観客が入れないため、オンラインでLIVE配信するなど)が施されたなか、しかし、予想以上に活気あふれる競技会となったようです。
その具体的な成績は詳細が判明次第、随時、本欄でもお知らせをしていきます。
今年7月31日・8月1日の2日間にわたり、大分県日田市にて行われた「スーパー耐久レースinオートポリス」において、トヨタは大林組が開発・製造した「地熱由来」の水素エンジンカーで参戦、見事に完走したというニュースがさまざまな媒体を賑わせました。
このレースに参戦したトヨタの名物経営者・豊田章男社長は、レース終了後の記者会見で「地産地消の地熱エネルギーへの期待」について熱弁、業界を超えた取り組みを呼びかけました。
大林組は日本を代表する温泉地帯・大分県九重町に地熱発電所を建設し、そこで得られる電力を水素製造に利用する実証装置を設置。7月に稼働開始していましたが、今回のレースはその成果を早くも発揮するための貴重な実験となりました。
トヨタと大林組とのこの先進性あふれる取り組みの続きは、次号でご紹介します。