◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします
今週はまず、この話題から--。
先ごろ、矢野経済研究所が「2020年の定置用蓄電池世界市場調査」を発表しました。
定置用蓄電池(ESS)は周知のように、世界中の国が現在推進している温室効果ガス削減と、それに伴う再生可能エネルギーの活用に不可欠な発電設備の要になる存在です。
高性能なESSを利用することにより、化石燃料に比べて非効率的とされていた再生可能エネルギーの世界は大きく広がりました。
地球温暖化に付随して世界中を悩ませている異常気象を抑制するためにも、より高性能、より効率的なESSは今や世界中が注目しています。
矢野経済研究所がリリースした同リポートによれば、新型コロナのため全体的に低迷している市場動向の影響を受け、ESS市場も目下は成長が鈍化ぎみ傾向ではあるものの、北米や欧州を中心に住宅用および企業・業務用の需要は進捗する見込みだと評価されています。とくにアメリカ合衆国は大統領の交代により、再びパリ協定への歩み寄りが強まることが予測されるとの見方も世界にはあり、ESS導入は加速度的に進む可能性さえあるといえるのではないでしょうか。
それだけに一層、今後の推移が注目されます。
次は京都機械工具株式会社がこの11月に発売した次世代作業トレーサビリティシステム《TRASAS IM/EM》の話題です。
京都機械工具のプレスリリースによれば、「トレサス アイエム/イーエム」と読むこの商品は「製造現場などで作成する作業手順書をデジタル化」するとともに、当該の作業手順に則って実施された作業の結果を記録・管理するソフトウェアです。
「トレサス アイエム/イーエム」のうち「トレサス アイエム」は現場の管理者向けのソフトで、「トレサス イーエム」は現場作業者向けのソフトになります。
あらかじめ手順書がデジタル化されているため、現場での手書きによる記入や、入力の際にしばしば発生する誤記入の危険性が大幅に改善することが期待できそうです。
またこうした効果によって、現場管理者および作業者による個人的な力量差が作業全体の効率化にバラつきをもたらすこともなくなり、いわゆる「作業の標準化」にも大きく寄与することになりそうです。現場管理者・作業者には嬉しい新製品になりそうです。
次は日建連(日本建設業連合会)によるコロナ対策の話題を一つ--。
日建連災害対策委員会はこのほど、新型コロナウイルスに対応するBCP(事業継続計画)ガイドラインをまとめ、公式サイトの会員ページに公表しました。
新型コロナの感染対策、感染症BCPの考え方や関連法令などを要領よくまとめたガイドラインは、新型コロナ禍が第3波を迎えたとされる現況、および年明けにも襲来かと予測されている第4波に向けた指針として心強い存在になりそうです。
今週の最後にお届けするのは、大成建設の《希少動物保全計画立案》を支援するツール「水辺コンシェルジュ」開発の話題です。
生物保全の網がかかっているエリアでの開発計画を立案する際などに便利なツールとして、大成建設ではこれまでにも「いきものコンシェルジュ」「森コンシェルジュ」を開発してきました。「水辺コンシェルジュ」はその第3弾です。
狭い国土のなかで活発な開発計画を推進するためには不可欠のツールとして、さらなる進化が実現したと評判の「水辺コンシェルジュ」。その具体的な効果の程をまとめた詳細なリポートの登場が待ち遠しい!