超高性能燃料電池バス

建設・電設業界ザッピング  業界ニュースをクローズアップ22

投稿日:

これからは全国の燃料電池バスの発電所化が進む!?

◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします

今週はちょっとした発電所ぐらいの実力があるといわれる、トヨタとホンダのコラボによる超高性能燃料電池バスの話題から。

この超高性能燃料電池バスについては、今年9月、トヨタならびにホンダから共同リリースされましたのでご承知の方も多いことと思われます。

それは移動式発電・給電システム(Moving e)を搭載した燃料電池バス(以下、FCバス)をトヨタとホンダが共同開発、9月から山梨県で実証実験を行うという計画でしたが、実証実験も無事終了。

少し前目のニュースになりますが、11月26日に、トヨタとホンダが山梨県庁前でこのFCバスを公開したというニュースが、12月14日付けのIT系ニュースメディア「ITmedia」に紹介されていました。

このFCバスに搭載された大容量の水素燃料をバスごと、たとえば災害で大規模停電が起きた被災地などに移動させる(届ける)ことで電力供給に使えるということになるわけですが、写真をみると、公開されたFCバスには「CHARGING STATION」の心強い文字が躍っており、いかにも頼りになりそうな佇まいです。

それはそれとしてトヨタとホンダの夢のコラボがあれば、自動車技術に関しては不可能の文字はないような安心感もあります。

役割分担としてはトヨタのFCバスで作った電気燃料を、ホンダの高性能バッテリーに蓄電して届けるシステム。ITmediaではこれを「電気のバケツリレー」と紹介されていました。

実際問題、急な火災には昔ながらの水のバケツリレーも効果を発揮しますが、これから先の大規模停電には「電気のバケツリレーが不可欠」といわれるようになるかもしれませんね。

建設研究所が「2020年度第2四半期主要建設会社の決算分析」をリリースしました。

それによればゼネコン40社の単体受注高は前年同期比14.4%減(総計4兆4133億円)を記録、過去5年間では最低水準になっています。

こうした実情を反映した建設業者の景況感も、当然のごとく、かなり下がっており、帝国データバンクが実施した「2021年の景気見通しに関する企業の意識調査」によれば、悪化を予測している建設業者が44.8%で最も高かったそうです。

全産業の悪化予測が平均32.4%ですから、建設業者の危機感はかなりのものだといえます。建設業者の次に危機感が高いのは、建設業と不即不離の関係にある不動産業者で40.4%でした。

建設業・不動産業も含む全産業の景気悪化予測の理由で上位を占めているのは「新型コロナ(感染症)による影響の拡大」「雇用の悪化」「所得の減少」でしたが、その大元はやはり新型コロナ蔓延への危機感でしょう。

換言すれば、新型コロナ(感染症)の拡大によって仕事量が減る産業が多いとの予測がまずあり、必然的に雇用の悪化と所得の減少への危機感が滲み出てこざをえない、というのが現在の日本の産業全般を覆う危機感を形成しているといえます。

安全で効果の高いワクチン、ならびに治療薬の一日でも早い登場を期待したいものです。

ここで気分がほっこりするニュースを一つ。

建設関連ニュースのネットメディアBUILT(12月17日付け)によれば、新橋名物の国登録有形文化財「堀ビル」(1937=昭和7年竣工)が、ビルを所有する堀商店および竹中工務店、グッドルーム(シェアオフィス事業)の3社共同で来春までにリニューアルを実施するとのこと。これは堀ビルの佇まいを愛するすべての人にとっての朗報といえます。

※先週予告の「遠隔臨場」の話題は次週掲載します。