電動工具

建設・電設業界ザッピング  業界ニュースをクローズアップ47

投稿日:2021年7月30日 更新日:

コードレス電動工具は現場風景を大きく変えた

◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします

パナソニックライフソリューションズ社(以下、LS社)が6月25日に記者発表を行った電動工具の新ブランドEXENA(エグゼナ)の話題が業界関係者の大きな関心を呼んでいます。

今年8月1日にはEXENAのフラグシップモデルのラインナップ「Pシリーズ」の第一弾として、充電式インパクトドライバー「EZ1PD1」を発売。さらに9月1日にはドリルドライバー「EZ1DD1」が発売される予定とのこと。今から楽しみです。

パナソニックLS社がこの時期にとてもインパクトのある電動工具シリーズ・新ブランドを立ち上げた背景には、近年の建設市場の動向が大きく影響しているようです。

すなわち、ビルディングであると戸建て住宅であるとを問わず、新築に迫る勢いでリニューアル工事が一方の主流になりつつある昨今、特に電気設備工事関連の高性能な電動工具の力が発揮される場面が増えつつあること。同時に電気技能者の高齢化が進んでいることから、取り扱いが簡便で高性能なコードレスの充電式電動工具が求められていること。技術が比較的未熟な外国人労働者が現場に増えつつあることも、やはり取り扱いが簡便で高性能な充電式電動工具の需要を後押しをしているようです。

発売第一弾となるPシリーズの充電式インパクトドライバー「EZ1PD1」は、内部のハンマーの50%小型化、駆動軸の20ミリ短縮、ブラシレスモーターの30%小型化をそれぞれ実施。ヘッドサイズ98ミリの驚異的な小型化が実現されているようでする。

黒地に赤と黄色のラインが入った2パターンの精悍な風貌とともに、その高性能ぶりを目の当たりにできる発売日までもうあとわずか。業界関係者の期待感は膨らむばかりです。

パナソニックLS社の電動工具新ブランド「EXENA」については、主に小型の電動工具、電気設備工事では不可欠のインパクトドライバーを中心にご紹介しましたが、ここ数年来、アジア圏を席巻する勢いで伸びている電動建設工具の「黒船」が、皆さんもご承知のミルウォーキーツールです。

1924年創業のミルウォーキーツール、その名称の通りアメリカのミルウォーキーを本拠地に、欧米はもちろん、アジア各国でもそのシェアを伸ばしつつあります。インターネットメディア「BUILT」によれば、ミルウォーキーツールは2019年の市場において、北米では21.3%、西欧では24.6%、その他の地域においても20.6%の伸び率を記録。アジア圏でき驚異の28%もの伸び率となり、2020年は35%の伸び率となっているものと推測されているそうです。

とくに評価が高いのは、350ミリパワーカッター、28ミリ六角軸コードレスハンマー、152ミリ手持ちコアドリルなど、これまではコードレス化が難しかった大型建設工具のコードレス・シリーズ(MX FUELシリーズ)。

まさに、かつて蒸気機関で動いて日本人の度肝を抜いた黒船のような、インパクトの強いミルウォーキーツールもまた、これから要注目の電動建設工具になりそううですね。

かねてより計画されていた新宿駅周辺地区の土地区画整理事業計画が7月7日、東京都から告示されました。新宿駅構内の東西自由通路などの完成をへて、新宿駅は大きく変わろうとしていますが、周辺地区が対象のこの土地区画整理事業が完了するのは2046年度の予定。詳細は次号でご紹介します。