◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします
この冬は新型コロナウイルス対策として、国民全般に自宅で過ごす時間が長くなることなどから、LNG不足および悪天候に伴う太陽光エネルギーの減少などに加え、暖房電力などの急増に伴う電力不足の懸念がかねて予測されていました。
同時に緊急事態宣言下でも基本的に事業所は稼働しているためもあって、電力不足は現実のものになりつつあり、電力広域的運営推進機関は「電気の効率的使用の呼びかけ」(1月10日付け)を行いました。
2度目の緊急事態宣言が首都圏から関西圏、中部圏と急速に拡大していきつつあるため、今後、商業施設や公共施設を中心に電力消費量は現在より少しずつ減少することも考えられます。
しかし、経済の停滞を避ける方針が基本にあることから、電力不足は続きそうな気配です。
さらに原発への国民のアレルギーが完全に癒えていないことも手伝って、自然エネルギー全般の活用による発電事業への本格的な取り組みを国に望む声が、一部で高まりつつあります。
いずれにせよ、新型コロナウイルスへの対策も含めて、これまでのような中途半端な取り組みでは何事も追いついていかない事態が、あちこちで起こりつつあるのは確かなようです。
厚生労働省・有識者検討会(これからのテレワークでの働き方に関する検討会)は1月7日、「テレワーク拡大に関する課題および(※提言)報告書」をリリースしました。
同報告書の特色は、これまでいろいろな事情でテレワーク導入に踏み切れなかった業種や中小零細企業をターゲットにしていること。
ジャンルを問わない大企業や業種的にテレワークになじめる企業による導入は急速に進んでいるため、「それ以外」の企業・業種にもテレワークを勧めようというわけですが、当然のことながら労働集約型の建設関連業種も対象になってきます。
少なくとも現場仕事中心の建設関連業種は、事務系企業に比べればテレワークを導入できる部分は限られてきます。しかし、いずれにせよ、電気設備工事業者をはじめとする建設関連業者はいま、否応なく、近来にない構造改革(働き方改革)が求められていることになります。
新型コロナの感染拡大の影響で、これから数年の採用戦線は、近年ずっと続いていた売手市場から買手市場への変化が予測されています。
しかし、若者たちの価値基準が「新型コロナウイルス対策」のしっかりした企業・業種に向かう可能性は高く、そういう意味では買手市場への傾斜が強くなろうと、対策をきちんと取らない企業にとっては有利な要素は相変わらず少ない--ということになりかねません。
ここはいちばん、これを機会に出来る限りの構造改革(働き方改革)を実践していくしかないと、従来はテレワーク導入に消極的だった企業も「腹をくくるべき時」なのかもしれません。
文部科学省はこのほど、「公立小中学校など学校施設のバリアフリー化状況(調査データは昨年5月時点)」の調査報告書をリリースしました。
調査対象は28,156校に及びましたが、それによればバリアフリー化の指標となる「車椅子対応の多目的トイレ」設置率は65.2%。同じく「エレベーター設置」率は27.1%との結果が出ました。
厚労省では2025年度末までに多目的トイレ設置率は95%(体育館も含む)に、エレベーター設置率は40%程度にしたいとの方針を打ち出していますので、今後はこの分野の公共事業が増えていきそう。今年も本紙「電気設備工事入札情報」にご注目ください!