◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします
今週は前回の最後にちらりと触れた山形新聞電子版(3月28日付け)の記事のご紹介から。
「希望の光、ちょうちんに願いを」と題するこの記事は、新型コロナウイルスの収束の見込みがなかなかつかず、暗くなりがちな子どもたちの日常を何とか少しでも明るいものにしたいと考えた山県市十日町の有志が、子どもの願い事を書いたちょうちんを掲げる祭り「願いちょうちん やっしょまかしょ」の準備を始めたという内容。そして、その中心を担うのが地元の電気工事会社「城北電気工事」なのです。
昨年夏、山形花笠祭りなどの恒例イベントが次々に中止となるなか、城北電気工事をはじめとする地域の有志が「お絵描きちょうちんまつり」を開催、子どもたちの好評を得ました。今年はそれを拡大し、花笠まつりの実施期間とも重なる7月10日~8月20日までロングランで行うのです。
新型コロナの収束への動きはまだまだ読めません。しかし、地域に根差した電気工事会社が中心になっての「希望の光」を地域に届けるお祭り、ぜひとも実現してほしいものですね。
山形市の電気工事会社・城北電気工事の話題をもう一つ。上記の話題をネットで閲覧していた際のこと、城北電気工事の動向に関する話題がたくさんあることに気づきました。地域で愛されているのですね。
なかでもユニークなのは、昨年9月から同社が始めたという「顧問電気士」サービスの話題です。
昨年9月8日付け山形新聞によれば、同社は「市内小規模工場向けに電気設備の見える化、定期点検、異常時対応を無料パッケージ化した《顧問電気士》のサービスを始めた」由。
これは契約電力50kw以下の小規模工場には電気主任技術者の設置義務がないため、電気設備の保守点検の不備が原因になってしばしば起こる、小規模工場における機械停止や漏電事故などを未然に防ぐことを目的とする無料サービスだそうです。
城北電気工事所属の電気工事士たちが、申し込みのあった小規模工場の電気周りを定期検し、スムースな操業の維持・保全をお手伝いしようという試み。
かかる費用は修理の必要が出た際の部品代や、資材交換費用などだけというサービスは、まさに地域と共に生きる電気工事会社ならではの企画といえます。
いつか機会があれば、ぜひ直接訪問し、取材をさせていただきたいものです。
建設業界の動向に詳しいシンクタンク、ヒューマンタッチ総研は4月2日、建設業に従事する外国人労働者への最新実態調査および分析を実施、ニュースリリースしました。それによれば2015(平成27)年に1万9000人だった建設現場で働く外国人労働者の数は、2020年の調査では7万7000人に急増しています。
外国人労働者の増加傾向は、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した2020年でも前年比117.9%の増加を記録するほどの勢いを維持していることから、これは逆に日本人労働者が避ける、密になりやすい現場でも、外国人労働者は厭わないということも、ひょっとするとあるのかもしれません。
また建設業における特定活動の在留資格を取得して働く外国人労働者の数は、2015年が287人だったのに対し、2020年は5303人を記録しています。
これは東京オリンピックの特別措置ともいうべき、特定技能での外国人労働者の受け入れが進んだためで、永続的な動きではなさそうです。(以下、次号に続く)