◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします
先週号の本欄最後で、福島県南相馬市が橋梁の維持管理のDX化による効率化を高めるため、点検業務のデジタル化を図る取り組みを開始したこと。
それに先駆けて南相馬市は、デンソーおよび測量設計業協同組合との間で協定を締結したというニュースをお届けしました。
この事例はまさにほんの一例であり、ご承知のようにDX化は今や、建設関連業種の新たな地平を開く取り組みとイコールになっているかのような感すらあります。
折しも、この12月6日~8日の3日間、業界注目の「第1回建設DX展・東京展」が、東京ビックサイト西展示場において開催されます。
これは430社が出展する「ジャパンビルド」の一環として開催されるもので、9月29日~10月1日にインテックス大阪で行われた「関西展」に続いての開催となります。
建設DX展では「建設ロボット・ICT建機」「AR・VR・MR」「BIM・CAD・AI技術」「建設会社向けシステム」に区分された展示や、デモンストレーションなどが実施されます。
また同時開催されるDX関連の講演会(セミナー)の講師には、建築家の隈研吾氏、鹿島建設の伊藤仁社長、竹中工務店の村上隆太技術本部長、大成建設の谷山二朗社長室長CDO、明電舎の竹川徳雄専務執行役員、NTTドコモの髙橋和彦コンストラクションDX推進室担当部長、国土交通省大臣官房の廣瀬昌由技術審議官など、実に錚々たるメンバーが選ばれているのも注目です。
神戸市に本拠を置くシン・エナジー社のニュースリリースによると、この10月14日、同社と秋田県仙北市の仙北水力発電が共同で運営する小水力発電所、「鶴の湯水力発電所」および「小野草水力発電所」の竣工式が開催されたとのこと。
鶴の湯水力発電所と小野草水力発電所は、仙北市内を流れる先達川や小野草沢周辺の未利用の地域資源ともいうべき水資源を活用、地域活性化加津うの一環としての小水力発電を企画されたものだそうです。
山岳地帯の多い日本の国土においては、昔から大規模な水力発電が行われてきましたが、小水流を活用した水力発電も、地域の産業の発展に寄与してきました。
仙北市の位置する秋田県もそうですが、長野県や山梨県などをはじめ、山岳地帯周辺の里の小さな川や沢は、急こう配を流れるため、小さな水力発電にはピッタリです。
しかも、同社のニュースリリーにもありますが、小水力発電は発電時にほとんどCO2が発生しません。さらに「鶴の湯水力発電所」「小野草水力発電所」は砂防堰堤付近に取水口を敷設し、導水管を地中に埋めることなどで、周囲の環境変化を極力抑えるようにしているのだとか。
山国日本ならではの小水力発電所、全国各地で盛んになる可能性があります。
土木学会は先ごろ、新型コロナの影響下での土木工事現場、建設現場における新型コロナ対策の様相を調査、その課題や改善事項を調査するとともに発表しました。
その結果、例えば過密状態を避けるためには、各種機械の遠隔操作や、PCa(プレキャスト)の技術を活用すことによる省力化や効率化が有効だとの結果が出ました。
その他、この興味深い調査結果については、次号で詳細をお伝えしたいと思います。