野菜工場

建設・電設業界ザッピング  業界ニュースをクローズアップ66

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スーパーの敷地内にこんな野菜工場ができたら!?

◇今週も建設・電設関連の話題をお届けします

東北地方整備局はこのほど、来る12月18日に「三陸沿岸道」が全線開通(仙台市~八戸市間の総延長359㎞)することを発表しました。

三陸沿岸道は東日本大震災の数ある復興事業の中でも、東北地方の太平洋側の北半分(三陸海岸)を縦断する「復興道路」の目玉。まさにリーディングプロジェクトとして、その完成がかねてより期待されていました。それがついに完成の瞬間を迎えることになったのです。

筆者(本誌編集部・E)は、東日本大震災から3年後に八戸市および仙台市で復興状況を取材する機会を得ました。その際、八戸および仙台の人々は異口同音に、三陸沿岸道への待望論を熱く語ってくれたのを、今もよく覚えています。

この三陸沿岸道の全通により、従来、約5時間強が必要だった仙台~八戸の移動時間(車)が,3時間半弱で到達できるようになるとのこと。

また三陸沿岸道は現在、内陸部の東北自動車道と並行して走る形になっていますが、今後、両者を結ぶ復興道路も続々と建設されていく予定で、そうなれば三陸沿岸道の利便性のみならず、東北自動車道の利便性も飛躍的に高まることが予測されます。

三陸沿岸道とは別に、やはり東日本大震災の復興事業の目玉の一つとして旅行関係者などにとくに待望されていた遊歩道「みちのく潮風トレイル(福島県相馬市~青森県八戸市、約1000㎞強)」は、2019(平成)年6月9日にすでに全通しています。

この事業は福島県から青森県までを結ぶ海沿いの長大な遊歩道で、結ばれる自治体は4県28市町村に及びます。

三陸沿岸道の陰に隠れて地味な印象はありますが、1000㎞以上に及ぶ沿線はすべて、三陸復興国立公園として整備されていく予定で、三陸沿岸道とともに、太平洋側の東北地方の復興のさらなる推進力として大いに期待されます。

11月26日付け電氣新聞デジタルによれば、東北電力は植物工場の設計、運用、コンサルティングなどを主要事業としているプランツラボラトリー社(東京都中央区)と連携、農家やスーパーに小型の「植物工場(野菜工場)」を設置する新たな業態に乗り出すことを発表しました。

農家に設置するメリットは、なんといっても天候に左右されず、野菜や花などを安定的に供給する機能を得ることで、経営の安定化が図られるところなどにあります。

また、スーパーに設置すれば、いつでも新鮮な野菜などを供給できるのと、物流費がかからないというメリットなどがあり、当然、それは販売価格の低下にもつながっていきます。

計画では一軒当たりの植物工場の面積は300㎡前後とのこと。こうした小さな区分の植物工場に特化した業態に進出するのは、電力会社としては初のケースだそうです。今後の推移が期待されます。

11月25日付け日刊建設工業新聞オンラインによれば、清水建設がかねてより進めていた「世界最大級の自航式SEP船(自動昇降式作業台船)」の建造事業の進捗度が約70%に達したので進水させ、今後は2022年10月の完成を見込んでいるとのニュースをリリースしました。

このSEP船には、楊重能力約2500トンのメインクレーンを搭載するとのことですが、そのクレーン揚程は最大158m、12~14メガワット級の大型風車(ナセル)も取り付け可能とされています。