☆意外に知られていない!?作業着産地①
作業着(ワーキングウェア)の製造は歴史的にも全国各地で行われてきました。建物建設現場だけでなく、モノづくり産業はありとあらゆるジャンルに及んでおり、それは世界共通の現象。とりわけモノづくり大国・日本のファッションシーンの主要部分は、実はワーキングウェアの歴史と共に歩んできたといっても過言ではありません。
ワーキングウェアの産地も全国各地に及んでいますが、ご承知のように、繊維製品に定評のある岡山県も、そうした産地の一つ。中でも倉敷市の児島地区は、学生服の生産では全国シェアの70%以上を誇る繊維のまちで、丈夫で動きやすい学生服づくりの基礎には、作業着づくりで培ってきたさまざまな技術が生かされているといわれています。
という訳で、今回は岡山県倉敷市(児島地区)の作業着づくりについて、倉敷市の観光公式サイトに掲載の「こじまさんぽ」から、ちょっと紹介させていただきます。
それによれば、倉敷市児島地区の企業が作業着づくりを開始したのは1940年頃からなのだそうです。サイトには詳しく触れられていませんが、もともと児島地区は瀬戸大橋の基部に位置することからもわかるように、作業着づくりの需要は、港湾部で働いている人々から当然あったものと思われます。
児島地区の作業着のユーザーは当初から建設・土木関係および自治体の現業部門などだったといいますから、その想像は当たっているはずです。
かくして1940年から本格的に作業着づくりに参入した倉敷市児島地区のメーカーは、現在では「エヴァンゲリオンとのコラボ」や「オシャレなブラックブーツにしかみえない安全靴」など、時宜を得た商品開発と情報発信で、全国区的な人気を、とくに若者たちの間で獲得しています。
この「知っているようで意外に知られていない作業着産地シリーズ」は、今後も随時、掲載させていただく予定です。
☆Tシャツこそはまさに究極の作業着!?
3月21日付けYAHOOニュースに「なぜTシャツ? ゼレンスキー大統領の姿から伝わるメッセージとは?」という記事が掲載されていました。
ロシアによる「ウクライナ侵攻」に関するニュースが連日連夜、報道されている状況のなか、ウクライナのゼレンスキー大統領は今や世界で最もよく顔と名前が知られている大統領の一人になりました。そのゼレンスキー大統領の「ユニフォーム」はカーキ色のTシャツ。セレブ的な雰囲気の大統領が圧倒的に多いなか、このファッション感覚はYAHOOニュースがいうように確かに異色です。
同ニュースに意見を述べている「広報のプロ」の見立ては、非常事態下にある大統領の発信姿勢が、このカーキ色のTシャツには込められているようです。確かに「攻撃を受けている側の指導者」がセレブ然とした格好では、国民の支持は得られないでしょう。
同時にカジュアルな軽装の代表・Tシャツを着ていることには、確かに深い意味が込められているように思います。作業着の下にも着られるTシャツはまさに、究極の仕事着、ワーキングウェアなのかもしれません。