☆EV車向けリチウムイオン電池の再資源化
EV車の普及が促進されるにつれ、大きな課題になりつつあるのが、駆動用のバッテリーとして使われていた初期のニッケル水素電池に代わり、現在の主流となっているリチウムイオン電池の安定供給問題です。
リチウムイオン電池に関しては、原材料(黒鉛、コバルト、ニッケル、マンガンなど)の供給国が限られがちなことなどから、この課題についての対処の仕方が、今後のEV車の生産体制に大きな影響を与えることは言うまでもありません。
例えば、量産ハイブリッドカーの第1号とされるプリウスは、生産開始から22年目を迎えており、廃車もずいぶん出てきつつあります。加えて、量産型EV専用車として先行した車種も、各メーカーともに、10年近くの歴史が経過しており、やはり中古車や廃車が増えつつあります。
ハイブリッドカーもEV車も、その駆動には大量のリチウムイオン電池が使われていることから、かねてより、老朽化したハイブリッド&EV車のリチウムイオン電池の再利用化が、トヨタ、ニッサンをはじめ、メーカー各社の間で推進されてきました。
そんななか、トヨタの北米部門がついに、ハイブリッド車やEV車の使用済み電池のリサイクル事業を「本格化」することが、同社ニュースリリースにて発信されました。
トヨタはこの11月に「第7次トヨタ環境取組プラン」を発表、2025年には「安全で効率的な電池3Rの仕組みの構築」し、「グローバルで最大限の電池回収・無害化」「日本・米国・欧州・中国・アジアの5地域で電池3Rの運用を開始」するとの方針を打ち出しました。
3Rとは、周知の通り、リデュース(電池の超寿命化および廃棄物発生の低減化)、リビルト・リユース(リビルトしたバッテリーを車載電池として再利用するとともに、蓄電池としての利用も図る)、リサイクル(再資源化)の循環を指しますが、今後は世界的にこの動きが加速していくことが見込まれます。
本欄では引き続き、そうした動きを随時取り上げていきたいと思います。
☆使用者目線で開発された家電の話題
家具量販店の雄・ニトリと家電量販店大手のエディオンが共同開発した家電が話題を呼んでいます。
この12月にリリースされた家電は「電気ドリップケトル」「温度調整式電気ケトル」「スチームオーブントースター」の3種です。
家具の量販店と家電の量販店がコラボしただけあって、いずれの商品も消費者の使い勝手を極限まで追求したモノとして、早くも好評を博している由。
今後は、例えば電気設備工事会社が発案した「安全安心な家電」とか、電設資材専門商社ならではの視点を活かした「イケてる家電」なんて企画があっても、面白そうですよね。
電気設備工事会社の中には、例えば、電気設備工事を通じて知りえた知見を活かした住宅建築に進出している事例も、今や珍しくありませんよね。
今後は「施主のさまざまな要求に応えながら培った電気設備工事会社や電設資材商社の専門的観点から発想された家電、住宅」などのマーケットが生まれても、おかしくないのではないでしょうか。期待したいですね!!